現在使われる婚姻届。どちらかの姓を選択しなければならない
現在使われる婚姻届。どちらかの姓を選択しなければならない

 読者の皆さんから、身近なテーマのコメントを募り、山陰中央新報とSデジに掲載する「さんコメ!」。「選択的夫婦別姓、導入すべきか」に、たくさんの投稿をありがとうございました。紙面には一部しか載せていませんが、Sデジでは全てのコメントを読むことができます! 記者の雑感もありますので、お楽しみください。(かっこ内はペンネーム。内容は一部要約・編集しています)

 私が若い頃は、好きな人の名字になる事が憧れでもありました。今は女性もバリバリ働き、旧姓の方が仕事では都合が良い場合もありますよね。戸籍は嫁ぎ先の姓でも自由に旧姓を使えるようになると良いかな? と思います

 結婚しても、旧姓のままで仕事している人は職場でもいます。職場では旧姓で、プライベートでは現姓で名前を呼ばれてなんか変な感じはしないのですかねー。いろいろと事情があってのことでしょうが、私は別姓は考えられません(モンブラン)

 選択的夫婦別姓は、早く導入するべきです。私自身、長男長女同士の結婚で、いろいろもめて、結婚までに10年かかりました。結婚後は、私が旧姓で働いています。このまま選択的夫婦別姓が導入されなければ最後は、離婚して元の姓に戻します。反対派の方が「子どもの姓はどうするか」とよく言われますが、それはこちらで考えるのでご心配なく! と思います。また「家族感が失われる」とも言われますが、家族感に姓は関係あるのでしょうか? さまざまな家族の形があっていいと思います。実際に、里親家族にはいろいろな名字があります。姓で家族感、一体感がうまれるなら、離婚する人はいないはずです。反対派の方は、夫婦同姓にすればいいだけのこと。他人が夫婦別姓にして何か迷惑なことでもあるのでしょうか? 選択的夫婦別姓が実現すれば結婚できる人が増えると思います。実際、姓でもめて結婚できなかった人もいます。とにかく早く選択的夫婦別姓を導入してほしいです!(ぺこ)

手をつないで歩く夫婦(写真と本文は関係ありません)

 夫婦別性、あまり関心なかったのですが、離婚後、再婚する場合、子どもの名字が何度も変わるのが、子どもにとって抵抗感があるという女性がいました。別姓でもいいと思うようになりました。(日々是好日)

 選択的夫婦別姓、賛成です。結婚後も仕事を続けたのですが、姓が変わったことから、関係者の方々に「~から~に変わりました」と言わねばならず、相手側も結局、忘れたりされてしばらくは旧姓で呼ばれました。子どもの姓は、どちらかを選択させることにはなりますが、夫婦別姓でも家族感がなくなることはないと思います。(ナオミ)

 積極的に導入するべきだと思っています。日本はさまざまな場面で名前が変わることの手続きが煩雑過ぎる。それに、名前は自分という人間の基本だから、選択の自由は認められるべきです。世の男性は名字が変わる大変さを知らない人が多いと思う。当然、為政者の方々も。

 反対です。結婚したら戸籍をどちらかの姓にして、子どもは戸籍の姓を使うのがよいと思います。結婚して姓を変えると仕事上不便なら、ペンネームを使う考え方で、仕事上ではペンネームとして、今までの姓を使えばよいのではないでしょうか。(ドルチェ)

 旧姓で働いている女性が身近に多いです。戸籍上は夫の名前だそうですが、結婚前の仕事を続けている場合、そのままが便利だと。家族としては夫と同じ、仕事は家庭とは違うの場所なので旧姓という臨機応援な対応は良いと思います。そのうえで、○○代目など「家を継ぐ」感覚があるご家庭とは別に、家を継ぐという価値感を持たない人生も当たり前になっているなかで、夫婦別姓も当たり前だと私は受け入れています。逆になぜ夫婦別姓がこの国で許されないのか。個人の自由と受け入れられる時代になっているように感じています。

 

 選択的夫婦別姓という言葉と意味は分かっていますが、いざ自分が結婚する時には「夫の姓になる」ことに疑問を持つことはありませんでした。さまざまな価値観がある世の中なので、そこに疑問を抱かなかったのも、私たち夫婦の共通した価値観だったのかなと思います。
 確かに、夫の姓になる事で手間がかかる事は多かったです。銀行や免許証など…何もかもの「姓」を変えなければならなかったですし、変わったという証明もしなければならない。でも、子どもが生まれた後のことなどを考えれば、統一していることで混乱することは無いのかなとも思います(子どもの姓はどちらにしようか?兄弟が生まれたら?など…)

10 わが夫婦の姓は夫の母方の祖父母のものなので(夫が祖父母と養子縁組をした形で姓を変えた後に、結婚しました)両親と姓が違います。さらにややこしい事に、両親と同居しているので同じ家に二つの姓が存在しています。もともとは母方祖父母、両親、夫たち(子ども)で生活されていたので、ご近所さんたちは周知の上なので困ることは無いものの、知らない方から電話が来たりすると多少の混乱があったりもします。
 でもだからと言って、選択的夫婦別姓について問われれば、私は賛成だなと思います。最初から駄目だと決めつけるより、選択できるならそれでいいのでは? と思います。一緒にしたかったらそれで良いし、したくないならそれでも良い。実際、兄夫婦のケースでは姓をどちらにするのかで話し合いがなかなかまとまらず、結婚が延びたということがありました。それはお互いがお互いの姓を大切にしたい気持ちがあったからです。2人で結婚する意思が固まったのに、姓をどうするかでもめるようならば、いっそ最初から「選択」できた方が良いのではないかな、と思います。夫婦の価値観、個々の価値観で、納得のいく選択ができる世の中になれば、もっとよりよくなるのでは無いかなと私は思います。

11 私たちの頃は、そういう事は無かったので、別に何の違和感もなく夫の姓になりました。新しい生活が始まると思いました。どちらでも良いのでは! お互いに納得のいくまで話し合うって、とても大切な事だと思います。

12 子どもの心配をしているかのように反対する人がいるが、子どもの姓は今でも結婚時に夫婦で決める建前。自分の名付けに参加する新生児はいない。妻子は男の姓に変わるのが当然、子どもが父親姓でなければ絶対イヤだと言う男尊女卑の思い込みから来る発言。

13 まともな反対理由がなにもないから、もしくは反対と言うと選挙に落ちるから、と言って「反対派」が自分を「慎重派」と言い換えるのは、全滅を玉砕と言い換えるよりひきょうだと思う。

民法750条、夫婦の氏について定めた条文

14 導入すべきです。先ごろ政府から発表された男女共同参画白書では、「結婚したいと思わない」人たちにその理由を聞いたところ、20~30代女性の4人に1人、40~60代女性の35・3%は、「名字変わるのが嫌・面倒」を挙げてます。強制的同姓は当然、廃止すべきです。

15 「選択的夫婦別姓を導入する」というより、「改姓の強制を廃止する」というほうが感覚が近いです。結婚したいと思った相手がたまたま日本国籍同士だったというだけで、必ずどちらかが改姓という人権侵害を受けないと婚姻できないルールは理不尽なブラック校則のようなものだと感じます。

16 妻は建築士です。夫姓で婚姻届を提出後、事務所の管理建築士になる際、建築士の免許証以外に写真付公的身分証の提示を求められ、そちらは改姓していたので、結局、(元の姓だった)建築士免許証の名義変更に奔走する羽目になりました。女性の自己同一性以外に、そうした実利的理由からも選択的別姓は必要と考えます。

17 未婚率(50歳時の未婚割合)は、2020年で男性28・25%、女性17・81%です選択的夫婦別姓が導入されることで、未婚率が下がって、出生率が上がることが、期待できると思います!!

18 選択的夫婦別姓が導入されていなくても、別姓の家庭はあります。同姓も別姓も、家族の在り方として当たり前に共存できるためには、制度の整備が必要だと考えます。互いの価値観を大事にし、改姓の不利益がある者同士には、選択肢があると良い。
 

記者雑感

 入社2年目で未婚です。望む人がいるのであれば、夫婦同姓でなくてもいいと考えていましたが、「名前が違うのに結婚する意味はあるのか」という反対意見を聞いた時、少し立ち止まる自分がいました。わが家もそうでしたが、同じ名字であることで醸成される「家族感」は確かにあると思います。
 それにしても、家族ってなんだろうかと思います。結婚して名前が変わった娘は、その家の娘ではなくなるのか。名字が同じだと家族の絆は強くなるのか。
 名前という表面的なものにとらわれず、一緒に過ごした共通の時間から育まれた絆を大切にする家族感を大事にし、個人の結婚の形を自由に認め合える世の中になればいいと思います。 (担当記者)

次回テーマ 「生理にまつわるエトセトラ」

 次回のテーマは「生理にまつわるエトセトラ」です。「生理の貧困」問題などを契機に、オープンに語られることが多くなりましたが、痛みや不快感を我慢する人はまだまだ多く、生理休暇は取りにくいとの声もあります。男性をはじめ周囲の理解も大事ですよね。コメントはツイッターとLINEで募ります。ツイッターは「 #さんコメ 」をつけて、つぶやいてください! 7月中に特集を組みます。

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