2020年夏の星空の見所
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。
オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。
大ぐまのあしを きたに
五つのばした ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。
アンタレス は「火星に対抗する者」または「火星と似た者」といった意味だと言われています。
もっと見上げると夏の大三角のアルタイル(わし座)、デネブ(はくちょう座)、ベガ(こと座)といった明るい星が目に入ります。
これら明るい星を手がかりにしてもう少し暗い星を結ぶと星座が見えてきます。
分かりにくい場合は星座早見盤や星座アプリで星の並びかたを確かめるといいでしょう。
奥三河のような空の暗い場所では星が見えすぎて星座が見つけにくいことがあります。
街中で想像力を膨らませて自分だけの星座を作ってみませんか?
アンタレスと同じぐらいの高さに明るい星が2つ並んでいるのが見えます。
大変明るい右の方が木星、ちょっと暗い左の方が土星です。
木星や土星は機会があったら望遠鏡でぜひ見てください。
特に今年の木星・土星は7月中・下旬に地球に一番近くなるので、大気の流れが穏やかな時は意外によく見えます。
夏の間は午後9時ごろ真南の空にマイナス2.7等からマイナス2.8等で大変明るく輝いています。
あまり明るいので周りの星座の形が分かりにくくなるほどです。
地球との距離が近くなっているので望遠鏡で見ると表面の縞模様が何本も見えます。
また、大赤斑と呼ばれる赤っぽい楕円形の模様が見える時があります。
大気の流れが安定していると大きな望遠鏡では縞模様の周りに小さな渦が見えることもあります。
また衛星をたくさん持ち、イタリアの天文学者ガリレオ・ガリレイが見つけた4つの衛星なら双眼鏡でも見ることができます。
衛星の動きは速く、しばらく見ていると木星の向こうに隠れたり、木星に落ちた衛星の影を見ることもできます。
夏の間は木星のすぐ左に0.2等から0.1等で輝いています。
土星は美しい輪を持つことで有名です。
小さな望遠鏡でもちゃんと輪が見えますが、大きな望遠鏡で見ると輪の隙間や本体の縞模様などが見えることもあります。
最近の研究で木星や土星についていろんなことが分かってきました。
ちょっと調べてみませんか?調べた後の木星や土星がちょっと違って見えるかもしれません。
(注)衝とは太陽系の天体が、地球から見て太陽とちょうど反対側になる瞬間のことです。
…さて、今年が本当にスゴイのは、7月下旬には明け方の空に惑星が全部並ぶということです。
今回は10月6日に最接近をし、火星と地球との距離は約6207万キロメートルになります。
夏の頃は午後11時ごろには東の空から登ってきて、マイナス0.5等からマイナス1.1等で赤く輝きます。
一昨年の大接近ほどではありませんが望遠鏡で見ると模様が少し見えます。
しかも同じぐらいの明るさの星がすごくたくさんあるので、星図アプリなどで正確な位置を調べても肉眼で見つけるのは大変難しいです。
望遠鏡で見ると普通の星と違ってまたたかないので「ちょっと違うかな?」という程度でしか見えません。
人によっては少し青っぽく見えるかもしれません。
天王星よりずっと遠いため、望遠鏡で見ても普通の星との違いがほとんどわかりません。
金星は地球よりも太陽に近い内側を回っているため真夜中は見ることができません。
明け方に「明けの明星」や夕方に「宵の明星」として見ることができますが、かなり高い所で明るく輝くことがあるためUFOと騒がれる事もあります。
金星は月のように満ち欠けをするだけでなく、見かけの大きさも変わるため、望遠鏡で観察をすると楽しいです。
水星も金星と同様に地球よりも太陽に近い内側を回っているため月のように満ち欠けをするだけでなく、見かけの大きさも変わります。
街中でもチャンスがあったらぜひ望遠鏡で惑星を見てください。
コラムby奥三河星空案内人
小島和彦
なお、コラム内で使用した図は国立天文台のものを利用させていただきました。
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